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 <あの子が気になる>はオリキャラを含む小説です。*大丈夫な方は下記へお進み下さい。

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<あの子が気になる~第1話~>

 俺、今村 菜桜(いまむら なお)は昨日、街で見かけた女の子の事が気になって、しょうがない。その名前も知らない可愛らしい女の子にどうやら、好きになってしまったらしいのだ。ただ、解る事は俺と同じ中等部の制服だという事だけの様だ。

 今はあの子が俺が良く知っている男子だという事は知る由もなかったのだ。

 俺は凄く嬉しくて、真っ先に、雨寺に伝えたかったので、今日のお昼休みに学校の屋上に呼び出したのだ。

輝「な、何だ、今村?行き成り、こんな所へ呼び出して、何だよ?ここは寒いし、別に、教室で良かったんじゃないのか?」

菜桜「教室だったらな、別の奴に聞かれると不味い話だからさ!話は直ぐに終わるから、まぁ、聞けよ?雨寺!」

 俺は雨寺に屋上に居る様に言った。

輝「手短に頼むぞ!」

(まさか、椿さんの事か?)

菜桜「うん、分かった!お、俺、昨日の夕方な、町でセミショートの黒髪の可愛らしい女子生徒に出会ったんだよ!それがさぁ、うちの中等部の子なんだ!それで、瞳の色が灰色の子だったな!」

輝(んんんんっ!?セミショートの黒髪の女子生徒!?今村、それは僕なんだけど!)

菜桜「あれっ、どうした?」

輝「い、いや、何でも無い!あの、でも、その子、止めといた方が・・・」

菜桜「俺、また、あの子に会えるかなぁ?今日も、その見掛けた商店街に行ってみよっかなぁ?」

 菜桜は自分の世界に浸っていた。

輝「今村、用はこれだけか?あっ!ぼ、僕は忙しいから戻るんで!」

菜桜「お、おう!またな、雨寺!」

(雨寺の奴、変だな!ん!?何か、怪しいな?俺に何か、隠し事かよ!)
 
 輝は逃げる様に屋上から出て行った。


~輝side~
 
 僕は放課後、李君を喫茶店に呼び出したのだ。

小狼「おい、雨寺!行き成り、どうしたんだ?言わないと判らないぞ?」

輝「あ、あの、・・・昨日、仕事で商店街に行ったんだけど、今村がそれを見たみたいなんだ。で、でも、それはおれなのに、女の子だと勘違いしてるみたいなんだよ!」

小狼(ふん!俺の知った事か、俺は関係ない!)

「ああ、そうか!それは、お前の責任だ!俺がどうこう言ってる問題じゃない!でも、本当は仕事ではなく、椿さんの事が心配でしょうがなくて、こっそりとつけてたってとこだろうよ!図星だろう?」

輝「(ギクゥ!?)・・・そ、そうだけど!ち、ちゃんと、帰ったかどうか心配で、あの人、特に、用事が無いのに、寄り道してるんだよ!」

小狼「はぁ~!呆れた奴だな!別に、女装する必要は無いんじゃないのか!」

輝「・・・あれは本当に、仕事の帰りで」

小狼「そうか!だったら、しょうがないな!でも、この事の事が大きくなる前に、そいつに本当の事を話すべきじゃないのか?」

輝「そ、そんな事、出来るわけないだろ!」

小狼「でも、このまま、騙したままで良いはずがないだろ!それはお前が一番、判ってるはずだよ!」

輝「ああ、勿論、判ってるよ!けど、今はまだ言えそうにない!」

小狼「まぁ、そうだよな!」

 小狼は今の事は納得する以外になかったのだ。

小狼「ま、まず、落ち着いてから、どう言いわけするかを一緒に考えよう!」

 言っている小狼自身が落ち着いていない。

輝「そ、そうだな!」

 輝は小狼の意見に賛成した。

輝「取り敢えず、今日は僕の奢りだ!好きな物を頼んで良いからな!」

小狼「えっ?いや、いや、待て!待て!お前、お小遣いをそんなに無駄遣いして良いのか?」

輝「別に良い!買う物無いからな!」
 
小狼「そういう問題じゃない!俺は自分の分は払うから!」

輝「それじゃあ、意味が無いだろ!これは依頼料のつもりでやったのに!」

小狼「そんなもの良い!タダで受けてやる!お前に聞いた俺にも、責任が有るしな!」

(俺は探偵じゃないぞ!)

「すみません!これ下さい!」

輝(この人はどうして、ホットケーキとホットチョコレートを頼んでるんだ?もしかして、甘党?)

 小狼という少年は甘党らしい。

輝「僕はキャラメルラテとジャンボフルーツパフェを下さい!」

(こ~なったら、やけ食いしてやる!)

小狼「ちょっと、待て!そんな物、頼むな!寒いのにそんなの食べたら、お腹壊すぞ!」

輝「わ、判ったよ!煩いな!ジャンボフルーツパフェを止めて、日替わりのケーキに変えて下さい!」

(何なんだよ、この人?めんどくさいな!)

 輝は小狼に対して、少しイラついている。

小狼「日替わりのケーキ!?何だ、それは?俺も気になるので、ホットケーキをそれに変えて下さい!」

 小狼も輝と同じ物を注文した。

 暫くして、2人が注文した例のケーキが出て来た。

小狼「なっ?チョコレートのフルーツケーキだと?」

 小狼は出て来たケーキを見て、驚いた。

輝「日替わり定食が有るだろ!面白そうだから、最近、始めたらしい!」

小狼「そ、そうなのか!」

(えっ!?そんなノリで良いのか?)

輝「ああ、美味い!幸せ!」

 輝は嬉しいそうな顔で食べていた。

小狼(メロンが乗ってるけど、何か、食べづらそうだな!(笑))

 小狼はチョコレートケーキに乗っているメロンから食べた。

 その様子を笑顔で眼鏡の少年が遠くの席から見ていた。その少年は柊沢エリオルだった。しかし、当の2人は食べる事に夢中で彼の存在に気付いてすらいない。

エリオル(フフフッ!まぁ、今の所は様子を見ましょうか!しかし、李君が厄介事に巻き込まれるのは相変わらずですね!)
 
 エリオルは他人を観察するのが、趣味の様子だ。

輝(僕が思うに、この人は非常にめんどくさくて、めっちゃ苦手だな。)

 エリオルがず~っと、自分を見つめるものだから、輝は嫌な気分になった。

小狼「雨寺?どうしたんだ、怖い顔して?」

輝「ちょっと、向こうのテーブルの奴に文句行って来る!」

 輝は向こうのテーブルの席に居るエリオルの所へ、喧嘩を売りに行こうとした。

小狼「ちょっ、ちょっと、待てよ?雨寺!」

 しかし、小狼は輝の腕を掴んで、強引に止めた。

輝「どうしてだよ?」

小狼「はぁ~、アイツだけは、止めた方が良いぞ!後で、厄介だから!」

 小狼は自分に言い聞かせる様に言った。2人が話している所へ、黒髪の長い目の下に泣きぼくろが有る女性がやって来た。

エリオル(あれっ?この雨寺君に似ている方は雨寺君のお姉さんでしょうかね?)

 エリオルは向こうのテーブルに見慣れない人が居る事に気付く。

霧花「アキ!ちょっと、ええか?」

輝「き、霧花・・・お姉様!?とっ、突然、何か、僕に御用でしょうか?」

(あ~あ、嫌な予感がするなぁ!)

小狼(この人が雨寺が前に言ってた従姉の霧花さんか。)

霧花「こんにちは!(ニコッ!)」

 霧花は小狼に微笑掛けながら、挨拶をする。

小狼「こんにちは、霧花さん!あの、・・・俺、話の邪魔の様なので、席を外しますね。」

 小狼は席を外す事にした。

小狼「おい!柊沢、お前!いつから、そこに居た?盗み疑義とは趣味が悪いぞ!」

 小狼はエリオルの真ん前の椅子に腰を掛ける。

エリオル(あれ、李君にバレてしまいましたか!)

「李君、僕は先程から居ましたよ!貴方は鈍感にも、程が有りますよ!」

小狼「煩いぞ、柊沢!お前はこんな所で優雅にお茶を楽しんで、ホント、よっぽど暇なんだな!」

エリオル「貴方の方が煩いですよ!話が聞こえないじゃないですか!」

小狼「俺達には何の関係のない話だ!聞く必要は無い!」

エリオル「あの霧花さんというお姉さんと雨寺君の関係は?」

小狼「ただの従姉だ!しかし、霧花さんはそうは思っていないみたいなんだ!」

エリオル「成程、何となく、話は読めました。今の彼女の話によると、霧花さんに縁談の話が上がっているそうですね!しかし、霧花さんは雨寺君が好きなので、縁談は断りたいそうです!霧花さんは美人なので、男達が自然と寄って来るのは判る気がしますよ。彼女は何を企んでるんでしょうね?」

小狼「そんなの決まってるじゃないか!あの人は雨寺家を乗っ取るつもりでいるんだ!」

エリオル「多分、そうでしょうね!彼女の父か母が雨寺家を継ぐ事が出来なかったのが悔しいのでしょうね!」

小狼「だろうな!って、言ってもアイツはまだ、俺達と同じ中学生だぞ!結婚とかありえないだろ!どうかしてるよ!」

エリオル「しかし、これは僕の推測なんですが、その事は霧花さん自身、雨寺君が幼い頃から、考えていた事じゃないでしょうか!」

小狼「酷い女だな!」

エリオル「貴方が人の事を言える立場ですか!李君が雨寺君の事が好きな事をさくらさんにバラしても良いんですね?」

小狼「お、/////お前は突然、な、/////何を言い出すんだ!ち、/////違う!お、/////俺はその、・・・ア、/////アイツに対して、そんな気はない!お、/////可笑しな事を言い出すんじゃない!お、/////お前と一緒にするな!」

エリオル「でも、顔が赤いですよ?」

小狼「う、/////煩い!お、/////俺はただ、アイツの事が心配なだけだよ。」

 小狼は俯く。

エリオル「まぁ、判らなくもないですよ!確かに、僕も彼の事が心配なんですよ!」

小狼「嘘だな!お前が言う事は嘘っぽい!」

エリオル「嘘じゃないですよ!」

小狼「アイツは菖蒲(あやめ)っていう巫女の生まれ変わりであって、菖蒲じゃないんだぞ!もう、アイツの事は忘れた方が良い!」

エリオル「李君は月の力に惹かれてるだけだとか言って、誤魔化そうとしてるつもりでしょうけど、僕に対しては、そんなの通用しませんよ!」

小狼「俺はそんな事、言った覚えは無いぞ!」

エリオル「あれぇ?確かに、言いましたよ!それはさくらさんが承認です!」

小狼「・・・」

エリオル「しかし、雨寺君は月の力を借りているわけではありません。さくらさんと同じ、太陽の力を借りている様ですね。」

小狼「そ、そうか!でも、そんな事、どうでも良い!」

 小狼はエリオルに対して、呆れていた。

エリオル「僕が彼に言ってあげましょうか?」

小狼「余計な事、言うんじゃない!」

 小狼は怒った顔で言う。
 
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