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 <あの子が気になる>はオリキャラを含む小説です。*大丈夫な方は下記へお進み下さい。

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<あの子が気になる~第2話~>


 輝「あ~あ、あの人、全く分かってくれやしない!」

 霧花が去った後、輝は項垂れていたのだ。

菜桜「何を分かってくれないんだ?俺はお前の事が最近、理解出来ないぜ!」

輝「それは、・・・ん!?どうして、今村がここに居るんだ?」

菜桜「雨寺が昼休みに言ったが気になってさ、お前に聞こうと思ってな!」

輝「ほ、本当に何でも無いんだよ!」

菜桜「そうか!分かった!」

輝「何が、分かったんだよ?」

菜桜「また、俺に内緒で、つばきちゃんに会ってだろ!お前、酷い奴だな!」

輝「ち、違う!あれは、委員会の仕事で呼ばれたんだ!お前と一緒にするな!」

菜桜「そりゃ、ご苦労様!それって、つばきちゃんに会う口実なんだろ?」

輝「そんなわけあるか!」

菜桜「町で見かけた子をいろんな奴に聞いてんだけど、そんな女の子は居ないって、皆、言うんだ!じゃあ、俺の勘違いだって言うのか?」

輝「そうなんじゃないのか!」

菜桜「う~ん、怪しいな?」

輝「なっ、何、おれの顔をジロジロ見て!」

菜桜「やっぱり、似てるよ、あの女の子に!まさか、お前がその子じゃないだろうな?」

輝「・・・・・・」

菜桜「へぇ、反論しないんだぁ~!認めるんだな!ふ~ん、俺はお前にそんな趣味が有ったなんて、知らなかったな!」

輝「あ、あれはその、・・・男子生徒の幽霊がうろついているから、除霊して欲しいって、頼まれたんだ!そしたら、紅葉にこんな格好させれたんだ!言っとくが僕には女装する趣味は無いぞ!」

菜桜「俺は女装したお前が可愛かったと思うよ!後、この事は誰にも言わないからさ!」

 菜桜は胸を張って言う。

輝「そ、それは本当か?」

(うわ~、コイツ!絶対に頭が可笑しいだろ!信用出来そうにないな!)

菜桜「雨寺、俺の事、信用してねぇのか?」

輝「・・・そ、そんな事ないけど!」

菜桜「あ~、お前は信用してないんだ!あっ、そういえば、テレビに出てたTuyuhiちゃん、マジでヤバくない?俺、マジで好みだわぁ~!」

 菜桜は立ち直りの早い奴である。

菜桜「今度、Tuyuhiちゃんの出てるファッション雑誌を買おう!今度、雨寺が俺の為に買って来てくれないかなぁ?」

 菜桜は輝にファッション雑誌を強請る

輝「こ、断る!そんなに欲しいのなら、自分で買ってこい!」

(実はその人は僕の従姉なんだって!)

菜桜「雨寺のケチ!もう、お前には頼まないもん!」

 菜桜は子供の様に拗ねる。

エリオル「今村君、実は僕もTuyuhiさんの事が好きなんです。今度、僕と一緒に買いに行きませんか?」

菜桜「マジで良いの?」

エリオル「勿論、良いですよ!」

 エリオルは菜桜の意見に賛成する。

小狼(コイツらは馬鹿だろ!)

「おい、雨寺!こんな奴ら、もう放っておいて帰ろうか?」

輝「・・・あ、ああ、・・・そうだ、な!」

小狼(あれぇ!?雨寺の奴、どうしたんだ?顔が真っ青だぞ!何か、遭ったのか?)

 小狼は聞かない事にした。

 輝は喫茶店を出てからも上の空だった。

 そこへ、先程、噂をしていた人物が現れた。

黒髪の美人な女性「あっ!あきら、久々ぁ~!」

輝「つ、露妃お姉様!?お久しぶりです。今からお仕事ですか?」

 雨寺露妃は輝の従姉である。

小狼(この人はさっき、今村が話してた人だな!しかし、この人、こんな所に居て、大丈夫なのか?)

露妃「ええ、そうよ!夜から撮影なのよ!その前にね、彼と待ち合わせなの!あそこのあおぞらでね!」

輝「そうですか。」

 露妃は喫茶あおぞらを指差して言った。しかし、その喫茶店は小狼達が先程、お茶をした所である。

 彼女が言った方角を2人は見る。その待ち合わせの場所に見慣れた少年が駆けて来る。

小狼(ア、アイツは、・・・小田原さんじゃないか!どうして、ここへ?)

 その少年は輝と同じ四葉学院中等部に通う先輩である小田原勇一郎だった。

露妃「ゆうく~ん!ここよ!私はここよ!」

 勇一郎はどうやら、露妃には『ゆう君』と呼ばれているらしい。

勇一郎「つゆひさん!そんな事、言わなくても判ってます。それより、いつも、言ってるでしょ!ゆ、ゆう君って、呼ぶなって!」

 勇一郎は露妃に対して、ムキになる。

勇一郎「そんな事よりも、どうして、お前らがこんな所に居るんだ?」

 勇一郎は小狼と輝が居る事に気付き、2人に言った。

露妃「この子達があおぞらから出て来た所で、偶然会ったのよ!まぁ!貴方はその子達と知り合いだったのね!」

 露妃は2人の代わりに答える。

勇一郎「はい、そうですが、それがどうしたんですか?」

露妃「まぁ、聞いてみただけよ!」

勇一郎「ふ~ん、そうか!どうでも良いわ!」

露妃「な~に、その態度は!」

勇一郎「お前はそうやって、直ぐに子供扱いするよな!」

露妃「あら?そんな事したっけかなぁ?私!」

 露妃はとぼけた顔で言う。

輝「言い忘れたけど、この人は僕の従姉なんだ。」

小狼「そうなのか!確かに、そんな気がしたよ!」

(実は本当の所、露妃さんが雨寺に似ている者だから、雨寺の姉貴だと思ってた。)

「それよりも、少し気になる事があってな、アイツら、本当に恋人同士なのか?俺にはどうも、その様には見えない。小田原さんと露妃さんは歳が離れ過ぎてる気がする。」

(でも、俺自身、人の事を言えた立場ではないな!今なら判る気がするよ!)

輝「露妃さんは今年、25になったばかりなんだ!」

小狼「25歳!?」

 小狼は輝の言った事に驚愕する。

輝「そうだよ!それに、凄く歳の離れた妹の露子が居る!後、もう1人真ん中に妹が居たんだけど、今はどうしているのやら、分からない!」

 輝は小狼に説明する。

勇一郎「露美さんはお元気ですか?」

露妃「母は元気よ!雨月おば様は元気にしてるの?」

勇一郎「元気です。確か、つゆひさんには、真ん中に妹さんがいらっしゃいましたよね?」

露妃「う~ん、確かに、居たわね!」

勇一郎「最近、会われましたか?」

(つゆひさん、何か、妹さんに対して、冷たい様な気がする!)

 小狼も、勇一郎と同じ事を思っていた。

露妃「最近、会ってないわね!」

 露妃は困った顔で言った。

露妃「勇一郎君!外は寒いし、後はあおぞらに入って、お話しましょ?」

勇一郎「そ、そうですね!」

 勇一郎は露妃の意見に賛成する。

露妃「それじゃあ、私達は行くわね!勇一郎が何かしたら、私に言って頂戴!」

輝「は、はい!」

輝・小狼「・・・」

輝(結局、何しに来たんだ、あの人!)

小狼(あの人、いつもと態度が違い過ぎる!)

 露妃はそう言うと、勇一郎と供に、あおぞらに入って行った。後、途方に暮れている2人。




 建物の陰の人影に輝は気付き、そこへ、近付く。小狼は輝の後を追う。

 そこには、茶髪のショートカットの女子中学生が立っていた。彼女は出ようにも出られなかったのだろう。

女子中学生「あ、あの、貴方達は一体、何ですか?」

小狼「お、お前こそ、何なんだ!」

(この制服からして、雨寺と小田原さんと一緒の学校の人みたいだな。)

女子中学生「その、・・・勇一郎君、いや、小田原君がこれを落としたみたいなんで、返そうと思ったんですけど、返すタイミングを逃してしまって。」

 彼女は手に持ってる猫のストラップを2人に見せた。

輝「もしかして、貴女はうちの学校の先輩なんですか?」

美波夏未「はい、そうです。小田原君と同じクラスの美波夏未と申します。」

 夏未は恥ずかしそうに言った。

夏未「私はお2人の事はよく知ってますので、特に、名乗る必要は無いかと思います。」

小狼「あ、そうですか。」

夏未「雨寺君は小田原君と知り合いなんですよ。これ、代わりに渡しといてくれませんか?」

輝「あの、これは自分で・・・」

 夏未はそう言うと、去って行った。

小狼「全く、何て女だ!」

 小狼は呆れた顔でぼやく。

輝「おお、これは、女子の間で今、流行っているキジトラちゃんじゃないか!何で、勇一郎がこんなものを?」

小狼「きじとらちゃん!?何か、さくらも言ってた様な気がする。それは多分、露妃さんから貰った物だろう!」

輝「そうか!」

 輝は自分の赤い携帯電話をカバンから取り出して、誰かに連絡を取ろうとしていた。

小狼「それより雨寺、誰に連絡しようとしてるんだ?」

輝「つばきさんにだよ。彼女なら、勇一郎と同じクラスだし、渡してくれると思って。」

 輝は小狼に答える。

小狼「そうか。」

(但し、面倒な事にならなければ、良いけどな。)

 小狼は輝の事を心配に思った。


第3話に続く・・・
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