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 <あの子が気になる>はオリキャラを含む小説です。*大丈夫な方は下記へお進み下さい。

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<あの子が気になる~第3話~>


 話は露妃と勇一郎があおぞらにやって来る少し前に遡る。

 エリオルが霧花の事を菜桜に聞いていた。

エリオル「彼女は貴方のお姉さんじゃないんですか?」*この事についてはこちらを参考にして下さい。

菜桜「はぁ?そんな訳、有るはずないじゃん!俺には姉は居ない。俺は1人っ子だよっ!」

(俺に姉が居るなんて、聞いてた事ねぇよ。馬鹿なのか、コイツ。)

 エリオルは疑り深い顔で菜桜を見る。

エリオル「ただ、気になって、聞いてみただけですよ!特に、意味は有りません。」
 
(何か、理由が有る様ですね。今度、霧花さんに会ったら、聞いてみましょう。)

菜桜「だったら、聞くんじゃねぇよ。今度、また、変な事言ったら、ただじゃおかねぇからよ!」

エリオル「可笑しな事、聞いてすみません。」

(今は取り敢えず、謝っておく事にしましょう。)

菜桜「おう、それは良いんだけどよ、何で、あんなに雨寺は女の子にモテるんだろう?」

エリオル「さぁ、僕も見当がつきませんね。」

 エリオルは本当は分かっているのに、分からないふりをする。

エリオル「そんな彼に嫉妬してるんですか?」

菜桜「そりゃあ、ムカつく程に。」

エリオル「でしょうね。でも、もう一つの理由は彼に惚れているからですね。」

菜桜「な、何、馬鹿な事言ってんだ、お前?はっ倒すぞ。」

エリオル「図星ですね。しかし、暴力はいけませんよ。」

 エリオルは菜桜の発言を待たずに、再び喋り出す。

エリオル「でも、雨寺君は元々は僕の物ですから、絶対に渡しませんよ。古い付き合いですからね。」

 エリオルはキッパリ言う。

菜桜「それはいつ頃からの話だよ?」

エリオル「それは貴方が生まれる前の話ですよ。」

菜桜(んなわけあるか!どう考えても可笑しい。コイツ、頭可笑しいじゃなねぇのか?)

 菜桜は困った顔でエリオルを見る。

菜桜「まさか、幼馴染?絶対、有り得ねぇわ!」

エリオル「はい、そうです。」

(取り敢えず、そう言って措きましょうか。)

菜桜「へぇ、初耳だな。俺はアイツとは小学1年の頃からの付き合いなんでね、これ以上の事は俺は知らないんだ。」

?「あら、私は知ってるわよ。」

 黒髪の美人な女性が菜桜に行き成り、声を掛けて来た。

菜桜「へぇ、そうなんですか!って、えっ?」

露妃「私は輝の従姉だから。彼の事、彼が幼い頃から、弟の様に可愛がって来たからさ、よく知ってるのよ。」

エリオル「つゆひさん、こんな所に来て、大丈夫なんですか?」

露妃「変装してるし、大丈夫よ!」

エリオル「そうですか。つゆひさん、こんな所でお会い出来るとは光栄ですね。僕の友人が貴女のファンなんですよ。勿論、僕もそうなんですよ。」

(サングラスをしてるだけじゃないですか。これで、変装してるつもりなんですか?どう見てもバレバレですよね。)

 彼らが話している所に、勇一郎がやって来る。

勇一郎「つゆひさん、僕はお邪魔な様なので、もう帰っても良いですか?」

露妃「え~!何、言ってるのよ!」

勇一郎「傍から見たら、突然、中学生に絡んで来た怪しいお姉さんにしか、見えないんですけど。」

露妃「ひっどいなぁもう、ゆう君ったら!」

勇一郎「だって、本当の事でしょ。」

エリオル(小田原君は自分の事は棚に上げて置いて、何を言い出すんでしょうね。)

露妃「それはごめん。」

 露妃は勇一郎に謝る。

菜桜「先輩がエンコウ(援助交際)してるって、皆にバラそう。」

エリオル「でも、それは不味いじゃないですか?」

勇一郎「何をコソコソしてる?」

エリオル「今村君が小田原君が援助交際している事を学校の人にバラそうと考えてる様ですよ。」

勇一郎「ん?誰が援助交際しているって?」

 勇一郎はエリオルに言われ、ムキなる。

菜桜「お、俺はこれで失礼します。」

勇一郎「今村ぁ~!待てよ、コラァ~!」

 菜桜は足早に去って行った。

エリオル「僕は今村君にもう一つ、不味いを言いましょうか。露妃さんは芸能人ですよ!」

 エリオルは勇一郎に真剣な顔で言う。

勇一郎「って言っても、つゆひさんは売れないモデルなんだよ。後、アンタ、行き成り、しゃしゃり出て来て、何のつもりだよ。お前には関係無いだろ。」

 勇一郎はエリオルを睨み付けた。

エリオル「ああ、そんな怖い顔をしないで下さい。今は売れてなくても、いつかは売れっ子モデルになるかもしれないんですよ。貴方のせいで、彼女が酷い目に遭っても良いんですか?」

勇一郎「・・・・・・」

エリオル「反論しないという事は事実を認めるんですね。」

勇一郎「・・・・・・」

エリオル「それとも、雨寺家を乗っ取るおつもりですか?」

 勇一郎はエリオルに言われ、険しい表情になった。

勇一郎「フンッ!だったら、どうだって言うんだよ。そう、お前の言う通りさ。あれは元々は俺の祖母の朝露さんの物になるはずだったんだ。ただ、俺はお婆様の無念を晴らしたいだけだよ。」

 勇一郎の態度が行き成り、変わったものだから、露妃は怒りに震える。

露妃「勇一郎!貴方は私を騙したのね。酷いわ。私達に復讐する為に、私に近づいたのね。私を好きだという気持ちは嘘なんだわ。きっと。でも、朝露お婆様は貴方が復讐する事を絶対に、臨んでいないはずよ。こんな事、絶対に、間違ってるわ。」

勇一郎「黙れ!お前らに俺の気持ちが分かる!でも、お前を好きだという気持ちに嘘はじゃない。つゆひ、それだけは信じてくれよ?」

露妃「貴方の事は知らないわ。さようなら、勇一郎!もう、私に2度と関わらないで頂戴。」

 露妃はキッパリと言うと、喫茶あおぞらを後にした。

エリオル「彼女は泣いてましたよ。それで良いんですか?」

勇一郎「あ、あんな女なんて、良いよ、別に。」

 勇一郎はそっぽを向いて言う。

エリオル「じゃあ、泣いてるんですか?」

勇一郎「へっ?べ、別に、泣いてないし。目に埃が入っただけだよ。後、あの女は呑気なもんだな。」

エリオル「白峰椿さんの事ですか。彼女は彼女なりにちゃんと、考えてるはずですよ。」

勇一郎「そうだろうか?」

 勇一郎は困った顔で言った。

勇一郎「白峰いや、つばきは正直言ってよ、馬鹿で能天気だし、おまけに脳みそが筋肉で出来ている様な、奴にそんな事、頭に有るはずはないと思う。」

エリオル「確かに、少し抜けているとこはありますよ。何も、そこまで言わなくても良いんじゃないですか?本人が聞いたら、悲しみますよ。」

 椿も実は、この喫茶店に居たのだ。そこでコーヒーを飲んでいた。

 椿はその話を勇一郎の前に突然、怪訝な表情でやって来る。

椿「勇一郎!石頭のアンタに言われたくないわね。折角のコーヒーが不味くなっちゃったじゃない。どうしてくれるのよ?」

エリオル「確かに、そうですね。つばきさん、落ち着いたら、どうですか?」

椿「柊沢君!貴方は黙ってて下さい!これは私とこの人の問題なんですの。」

エリオル「他のお客さんに迷惑ですよ。」

椿「あら、それはごめんなさい。私はこの人のせいで、非常に不愉快だわ。勇一郎、貴方は私が何も、考えてないと言ったわね。ちゃんと、考えてるわよ。」

 椿はボヤく。

エリオル(彼女もきっと、同じ事を考えてるんじゃないでしょうか。何も知らない雨寺君は可哀想ですね。)

 エリオルは困った顔で思った。

椿「あら、電話だわ。一旦、席を外すわね。」

 そう言うと、椿は席を離れて行った。

エリオル「あの電話、誰からだと思いますか?」

勇一郎「そんなの知るか。」

エリオル「ああ、多分、雨寺君からと思いますよ。」

勇一郎「だとしたら、タイミング悪過ぎ。」

エリオル「確かに、そうですね。」

 2人が話していると、椿が不機嫌そうな顔で戻って来た。

エリオル「あれ?どうかしたんですか、つばきさん?」

椿「ああ、全く、あきらはもう、信じられませんわ。勇一郎の落とし物を私から返しといて欲しいと言うんですのよ。自分で返せば、良いのに。」

勇一郎「ど、どうして、このタイミングで、その話を振るんだよ?」

椿「あら、それって、そんなに大事な物なんですの?」

 椿は勇一郎に聞く。

勇一郎「あ、あれの事はもう良いんだ。もう、必要無くなった・・・からな。」

 勇一郎は俯きながら言った。

勇一郎「誰かさんのせいでな。」

 勇一郎はエリオルを白い目で睨み付けた。

エリオル「おや?そろそろ、帰らないと、夕食に間に合いませんね。それでは、僕はこれで、失礼しますよ。」

 エリオルは先程の話は無かったかの様にそう言うと、あおぞらを出て行った。

勇一郎「何だ、アイツ。人の事、散々、引っ掻き回しておいて、都合が悪くなったら逃げ出すし、ホント、イライラする。」

椿「本当ですわ。あの人、とことん、引っ掻き回して、あの涼しげな態度をして、正直言って、ムカつきますわ。しかし、あれはどうします?例のあれはやはり、素直に、返して貰うべきではありませんか。」

勇一郎「チッ、煩いなぁ。」

椿「勇一郎はキジトラちゃんのストラップ、あんなに、大事そうに携帯電話に付けてたじゃありませんの。」

勇一郎「ど、どうして、それを知って・・・」

椿「あらぁ、私が知らないとでも思いまして。私以外のクラスメイトの皆さんも、知ってらしてよ。」

勇一郎「あわわわぁ!?・・・い、今から、返して貰いに行って来るよ。」

椿「ちょっと、待ちなさいよ、馬鹿?最後まで人の話を聞けつうのに、コイツは判らないのかしらね。」

 勇一郎は急いで、あおぞらを出て行った。

椿(本当、せっかちな人なんだから。)

 椿は溜め息を付きながら、冷めたコーヒーを飲んだ。

椿(あきらはどんだけ、お人好しなのよ。そんな事、ほっときゃあ、良いのに。)



 一方、その頃、輝は小狼の自宅に招かれていた。

輝(この人、いきなり、今日は泊まれって言ったけど、執事さんに断らなくて良いのだろうか?)

 輝は困った顔で思った。

輝(李君、もう1つ、大事な事を忘れてないか?)

 もう1つ、大事な事とは木之本桜の事である。

輝(彼女がいつ、やって来るか判らないし、もし、やって来たら、どう言い訳するつもりなのだろうか?)

 輝は台所に居る小狼を見て、思った。そこへ、小狼がやって来る。

小狼「そんな顔するな。アイツが来るはずがないから。多分。」

 そんな時に玄関のインターホンが鳴る。

 小狼は玄関へ向かった。その来訪者は桜ではなかった。

小狼「ど、どうして?貴方が俺の家を知っているんですか?」

 扉の向こうには、勇一郎が立っていたのだ。

勇一郎「そんな事はどうだって良いんだよ。いいから、輝を出せよ。ここに居る事は判ってるんだぞ?」

小狼「本人は今日は疲れているだろうし、また、明日で良いんじゃありませんか?」

 小狼は落ち着いた口調で言う。

勇一郎「でも、今日じゃないと困るんだ。」

小狼「でも、明日は第2土曜日で学校はお休みですよ。」

 小狼が言った事を聞いていた輝はショボくれいた。

輝(今日が木曜日だとばかり思っていた。)

 輝は自分の失態を今更、嘆いていた。

輝(という事は、月曜日まで持ち越しって事?)

「はぁ、どうしたもんかなぁ。」

小狼「それはこっちが聞きたいよ。」

輝「ごめん。あの、それより、勇一郎は?」

小狼「あの人なら、帰った。」

輝「そう、か。もう寝るわ。お休みなさい。」

小狼「そ、そうか。だったら、そこの部屋は空いてるから、使って良いからな。」

輝「分かった。」

 輝は小狼に言われた部屋に入って行った。

 そして、数分後、再び、インターホンがなった。

 扉を開けると、桜が不安そうな顔で立っていたのだ。

小狼(何で、こんな時にやって来るんだよ。タイミング、悪過ぎるだろ。)

「さくら、どうしたんだ。」

桜「お兄ちゃんと喧嘩したの。今日は・・・」

小狼「いや、今日は友達が上がってて、無理なんだ。」

桜「そうなの?でも、一体、誰を泊める気なの。取り敢えず、上がらせて貰うから。」

小狼「ちょっと、待て、さくら!」

 桜は無理矢理、玄関に中へ入って行った。

桜「ん?私と同じサイズ位の男子の通学靴が1つ有るけど、どう考えても、うちの学校の物じゃないよね。」

 桜は不思議そうな顔をして、言った。

小狼「・・・ああ、そうだ。四葉学院中等部の通学靴だよ。」

 小狼は自白する。

桜「やっぱり、そうだと思ったよ!この靴のサイズからして・・・」

小狼「何だ、そこまで、判ってたのか。そうだよ、これは雨寺輝の靴さ。アイツ、今日、色んな事が遭って、すっごく落ち込んでるみたいなんだ。こうなったのはアイツらのせいなんだ。」

桜「その原因の人達って?」

 桜は小狼に聞く。

小狼「柊沢と今村、そして、白峰椿さんだよ。それで、今日帰すのは可哀想な気がするから、うちに泊めたわけ。」

 小狼は続ける。

小狼「まぁ、一番の原因は椿さんなんだ。椿さんは雨寺に八つ当たりしたんだよ。」

桜「それは確かに、落ち込むよね。」

小狼「それで、夕食は食べずに寝に行った。」

桜「でも、食べないと、体に毒だよ。」

 桜は輝の事を心配した。

小狼「やっぱり、今日はここに泊まるのは止めて、他を当たってくれないか?」

桜「小狼君は雨寺君の事、心配じゃないの?」

小狼「心配さ。でも、これはどうする事も出来ないだろ。本人がそのつもりがないんだから。」

 小狼は桜に言う。

小狼「本人がその気になるまで待つべきだ。この事は俺に任せてくれないか?」

桜「分かった。今日は知世ちゃんの所に泊めて貰うね。また、月曜日ね。」

小狼「ああ。今日は有り難う、さくら。」

桜「お礼なんて良いよ。私が小狼君の事情を聞かなかったんだもん。謝るのは私の方だよ。」

小狼「まだ、寒いし、風邪を引くなよ。」

桜「うん、気を付けるよ。」

 そう言うと、桜は帰って行った。


第4話に続く
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