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鋳薔薇と女子高生の甘い罠 第2話>の続きを更新します。後、因みに、前々回はこちらです。

第1話

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<鋳薔薇と女子高生の甘い罠 第3話>

 彼、李小狼(リ・シャオラン)は雨寺輝(あまでらあきら)の髪型には、一切触れようとしなかった。

(うちの祖母はどうかしてる。それは何時もの事やけど、な。)

 途方にくれる輝。

(変だって、笑いたきゃ、笑えば良いのに。)
「なっ、何だよ!?」
(そんな怖い目で睨むなよ。)
「そんなに可笑しいなら、笑えば良いのに。」
「い、いや、俺はそんなつもりはない。・・・まぁ、あの女なら、ビデオを録って、自宅のホームシアターでお茶を飲みながら、観て面白がるだろうよ。」

 あの女とは、大道寺知世である。

「・・・あ、あぁ、そうだろうよ。アンタも、本当はやりたいじゃないのか?」
「なっ!?何を言ってるんだ、お前は?お、俺はそんな・・・」
「今はツイッターや、ブログが有る。そういうのに晒したりなんて、考えているんだろう?」
「いや、ごめん!俺は機械物には疎いんだ。お前を笑い者にしようと思った事は許して欲しい。」

 小狼は輝に対して、頭を下げて謝った。

「今のお前を見てて、俺は心配だ。」
「李君は警察に捕まるとでも思ってるのか、確かにそうかもしれない。」
「違う!そっちじゃない。男に捕まるぞ!」
「それは大丈夫!そっちの趣味は無い!」
「あ、あっそう。」
(コイツは何も分かってない。)
「俺は門の前で待ってるって言ったが、中まで付いて行く。」
「・・・有り難う!」
(女子校の女共は化け物だって噂だからな、俺は本当は嫌なんだ。)

 小狼は青白い顔で思った。

「どうしたんだ?」
「女子校の女共は化け物だって山崎に聞いたんだが、それって事実なのか?」
「あぁ、事実だよ。」
「そうなのか。確認して良かった。もし、嘘だったら、信じた俺が馬鹿みたいだから。しかし、あの柊沢っていう奴はそういう所が好きみたいなんだ。その理由は美人が多いからなんだそうだ。本当に呆れた奴だ。」
「確かに、そうだな。」

 輝は小狼に同意した。

「さくらが女子生徒達に捕まってなけりゃ良いんだが・・・」

 小狼は不安気に呟く。

 一方、桜は小狼の不安を知る由も無かったのだ。

「この学校の薔薇園にね、お化けが出るんだってさ、私、行ってみたいな!」

 柳沢奈緒子は目を輝かせながら言った。

「と、知世ちゃん!私はそんな所に行きたくないよぉ~!」

 桜は奈緒子の話を聞いて、知世の制服を引っ張る。

「でも、奈緒子ちゃん!そこは立ち入り禁止だって聞いたわ!真っ直ぐ、帰った方が良いと思う。」
「そうそう!利佳ちゃんの言う通りよ!もう、奈緒子ちゃんったら、そんなの見なくて良いんだからね。」
(山崎君が居ないと思ったら、奈緒子ちゃんは馬鹿な事を言うし、勿論、それは何時もの事なんだけどね。)

 千春は奈緒子に対して、呆れた顔をしていた。

「しかし、さくらちゃん!薔薇園に入った生徒が忽然と、消えたという不思議な事件を解決するのはさくらちゃんですわ!」

 知世は桜にだけ、聞こえる声で言った。

「と、知世ちゃん?」
「そう思って、可愛いコスチュームもお作りしましたの。」
「・・・ほ、ほぇ!?どうしても、行かなきゃ駄目なの?私、怖いの苦手だよぉ~!しかも、それは私の仕事じゃないでしょ!それは警察に頼んだ方が、・・・」
「ですが、それは無理ですわ。彼らには非科学的な事は解決出来ませんわ!そうですね。それは霊媒師という専門的な方じゃないと無理では!」
「れ、れいばいし!?あっ!そうか、そういう人なら心当たりが有るよ!そう、小狼君なら、きっと大丈夫!」

 桜は嬉しそうに言う。

「あの、さくらちゃん!?李君はまだまだ、修業中の身ではありませんか。それに、李君はこういう所は苦手で来ないと思いますわ。」
「そうだよね。確か、小狼君は女の子が苦手だって言ってたのを私、すっかり忘れてたよ!」

 桜は知世に言われ、がっかりした顔で答えた。

「李君は女の子に囲まれたりしたら、失神してしまわれますわ!」
「ごめんね、知世ちゃん!頼むの止めとくよ!」

 桜は申し訳無さそうに、知世に言う。

「私達、忘れ物をしてしまいましたわ!先に帰って頂けませんか?」

 千春達に知世は言った。

 知世に対して、千春達が頷くと、帰って行った。

「さくらちゃん、帰られましたわ。」

 それを確認する知世。

(こんな嘘、吐いて良いのかなぁ?何時か、皆にバレたら、私達、どうしたら良いんだろう。)

 桜は不安そうに思った。しかし、まさか、来るはずが無い小狼がそこへやって来るとは、2人は知らなかった。

(あ~あ、俺はさくらには行かないと言ったのに、嘘を吐いてごめん!俺はやっぱり、お前が心配だ。)

 小狼は茂みに隠れながら思った。

「それよりお前!俺の後ろにどうして、隠れてるんだ?」

 小狼は輝に聞く。

「ユナいや、露茄(つゆな)に行かないって言ったのを今、思い出したんだ!絶対、殺される!アイツ、怒ったら無茶苦茶怖いんだ。しかも、この学校に許可を取ってるんだから、こんな格好をする必要は無かったんじゃないのか?」
「えっ?お前の従姉の露茄さん!?俺は全然、怖そうに見えないけどな、あんな怖がりな女!」

 小狼は真顔で答える。

「いや、そんな事より、さくらに嘘を吐いてしまったし、どう言い訳すればいいんだ?アイツ、俺の口を2度と聞いてくれなくなるだろうな。」
「そんな事、知るかっ!」

 輝は小狼に呆れた顔で言った。


4へ続く・・・。
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